センチネルリンパ節生検
センチネルリンパ節とは
腋窩(わきの下)には、10~15個のリンパ節があります。
このうち乳がんが最初に転移するリンパ節をセンチネルリンパ節(見張りリンパ節)と名づけています。センチネルリンパ節に転移がなければ、その先のリンパ節にも転移がないと判断し、腋窩リンパ節郭清を省略することができます。
方法
色素法、RI(ラジオアイソトープ)法があります。
当院では、より確実にセンチネルリンパ節を見つけるために、色素とRIを併用する方法を用いています。センチネルリンパ節生検は乳がんの手術と同時に行うことができます。
乳がん切除術の前にセンチネルリンパ節を取りだし、転移がないかどうかを正確に判断します。
手術前にRI検査室で乳輪皮膚にアイソトープをごく少量注射し、リンパ管をつたったアイソトープがセンチネルリンパ節に到達します。また麻酔導入後に、乳輪皮膚に色素を注入します。手術中に色素とアイソトープが流入したセンチネルリンパ節を専用の器械を使用して、術中に探し出します。そしてそのリンパ節を当院ではOSNA法(One-Step Nucleic acid Amplifi- cation assay) によってがんが転移していないかどうかを調べます。
意義
術前の検査で腋窩リンパ節の転移が確認されない場合は、センチネルリンパ節生検を行って必要のないリンパ節の切除は行わないようにしています。
また乳房温存療法で術後放射線治療および全身治療を行うことを前提とした場合、センチネルリンパ節生検で1~2個の転移があって郭清した場合と非郭清の場合で10年の局所再発率、全生存率とも変わらないという結果から腋窩郭清をすべきではないと推奨されています。
当院でも患者さんの状況によって、最新の根拠あるデータに基づいた対応を行っております。